ウィザードを作ってみる
ダンジョンズ&ドラゴンズのプレイヤーズ・ハンドブックを手に入れたら、さっそくキャラクターを作ってみましょう。この記事では、よくあるウィザードのキャラクターを作成してみます。
お手元に、プレイヤーズ・ハンドブックと未記入のキャラクターシートと6面体ダイスを4つご用意ください。
説明の途中でゲーム用語がいくつか出てきます。意味が分からないものがあっても、あまり気にせず、まずはキャラクターシートを埋めてみましょう。
ウィザードの基本情報を確認
まずは、ウィザードのクラスについて基本的なところを確認しましょう。
ウィザードはこんなクラス
- 魔法使い系のクラスの中で一番多くの種類の呪文を発動することができる
- 呪文書の中の呪文から発動したい呪文を事前に準備しておく必要がある
- 準備していない呪文は呪文書の中にあっても発動することができない
- 武器や鎧の扱いに習熟しておらず、またヒット・ポイントが低いため武器での戦闘は苦手
ウィザードの能力値
プレイヤーズ・ハンドブック P.47にあるウィザードの簡易作成法を参考に能力値を検討します。
- 【知力】を一番高い能力値にする
- 【耐久力】か【敏捷力】を2番目に高くする
- 背景として賢者を選択する
種族を決める
プレイヤーズ・ハンドブック P.12の”能力値の要約”の表からよさそうな種族を探します。
【知力】が+1で【敏捷力】が+2あるハイ・エルフがよさそうです。
ハイ・エルフ
プレイヤーズ・ハンドブック P.20にあるハイ・エルフの特徴を確認します。
- 能力値上昇:【敏捷力】+2 (エルフすべて)
- 能力値上昇:【知力】+1 (ハイ・エルフのみ)
能力値を決める
ここまでで、能力値を決めることができるようになりました
さあ、さっそくダイスを振りましょう。
- 能力値は【筋力】、【敏捷力】、【耐久力】、【知力】、【判断力】、【魅力】の6つです
- 6面体ダイスを4つふって、高いほうから3つの値を合計します
- この3から18の値が能力値になります
- これを6回繰り返して、6つ能力値を作ります
- これをそれぞれの能力値に割り当てます
- この例では15、14、13、12、10、8が出たことにします
能力名 | 基本能力値 | 種族修正値 | 能力値 | 能力修正値 |
---|---|---|---|---|
【筋力】 | 8 | 8 | -1 | |
【敏捷力】 | 14 | +2 | 16 | +3 |
【耐久力】 | 13 | 13 | +1 | |
【知力】 | 15 | +1 | 16 | +3 |
【判断力】 | 12 | 12 | +1 | |
【魅力】 | 10 | 10 | 0 |
背景を決める
賢者
冒険者になる前の背景を決めます。簡易作成法でのおすすめの賢者の背景をプレイヤーズ・ハンドブック P.133で確認します。
- 技能習熟:〈魔法学〉、〈歴史〉
技能を決める
次に習熟している技能を決めます。
- ウィザードのクラスで候補の中から2つ
- エルフの鋭敏感覚の特徴から〈知覚〉
- 賢者の経歴から〈魔法学〉と〈歴史〉
- 合計で習熟している技能を5つ持てます
- 技能判定の際に、習熟している技能には習熟ボーナスを追加できます
- 1レベルでは+2で、レベルが上がるにつれ値が増えていきます
- プレイヤーズ・ハンドブック P.47でウィザードの習熟ボーナスを確認できます。
技能名 | 能力値 | ウィザード | 賢者 | エルフ | 習熟 | 能力修正値+習熟ボーナス |
---|---|---|---|---|---|---|
〈威圧〉 | 【魅力】 | 0 | ||||
〈医術〉 | 【判断力】 | 選択可 | +1 | |||
〈運動〉 | 【筋力】 | -1 | ||||
〈隠密〉 | 【敏捷力】 | +3 | ||||
〈軽業〉 | 【敏捷力】 | +3 | ||||
〈看破〉 | 【判断力】 | 選択可 | 〇 | +3 | ||
〈芸能〉 | 【魅力】 | 0 | ||||
〈自然〉 | 【知力】 | +3 | ||||
〈宗教〉 | 【知力】 | 選択可 | +3 | |||
〈生存〉 | 【判断力】 | +1 | ||||
〈説得〉 | 【魅力】 | 0 | ||||
〈捜査〉 | 【知力】 | 選択可 | 〇 | +5 | ||
〈知覚〉 | 【判断力】 | 選択済 | 〇 | +3 | ||
〈手先の早業〉 | 【敏捷力】 | +3 | ||||
〈動物使い〉 | 【判断力】 | +1 | ||||
〈ペテン〉 | 【魅力】 | 0 | ||||
〈魔法学〉 | 【知力】 | 選択可 | 選択済 | 〇 | +5 | |
〈歴史〉 | 【知力】 | 選択可 | 選択済 | 〇 | +5 |
その他の数値を決める
セービング・スローはクラスによって習熟ボーナスを追加できる能力が決まります。ウィザードは【知力】と【判断力】のセービング・スローに習熟ボーナスを追加できます。プレイヤーズ・ハンドブック P.47でウィザードのセービング・スローを確認できます。
数値名 | 決め方 | 数値 |
---|---|---|
習熟ボーナス | レベルで決まる | +2 |
セーヴィング・スロー:【筋力】 | 能力修正値 | -1 |
セーヴィング・スロー:【敏捷力】 | 能力修正値 | +3 |
セーヴィング・スロー:【耐久力】 | 能力修正値 | +1 |
セーヴィング・スロー:【知力】 | 能力修正値+習熟ボーナス | +5 |
セーヴィング・スロー:【判断力】 | 能力修正値+習熟ボーナス | +3 |
セーヴィング・スロー:【魅力】 | 能力修正値 | 0 |
イニシアチブ | 【敏捷力】能力修正値 | +3 |
移動速度 | エルフは9m | 9m |
ヒット・ポイント | ウィザードは6+耐久力修正値 | 7 |
ヒット・ダイス | ウィザードはレベルごとに1d6 | 1d6 |
受動【判断力】〈知覚〉 | 10+【判断力】〈知覚〉技能 | 13 |
持ち物・装備を決める
初期装備
装備は、クラスと背景から決まります。クラスの装備品はいくつかの候補から選択できます。プレイヤーズ・ハンドブック P.48でウィザードの装備、P133で賢者の装備を確認します。
- 賢者の装備
- 黒インクのつぼ、羽ペン、小さなナイフ、死んだ同輩からの手紙(その中の質問に君はまだこたえられていない)、普通の服1着、ベルトポーチ(10gp入り)
- ウィザードの装備
- クオータースタッフ
- 呪文構成要素ポーチ
- 学者パック
- 呪文書
習熟
鎧、武器、道具にも習熟があり、習熟しているものを使う際には習熟ボーナスをプラスできます。プレイヤーズ・ハンドブック P.47でウィザードの習熟、P.133で賢者の習熟、P.21でハイ・エルフの習熟を確認します。
賢者の習熟
- 任意の言語2つ
ウィザードの武器・鎧・道具習熟
- 鎧:なし
- 武器:ダガー、ダーツ、スリング、クオータースタッフ、ライト・クロスボウ
- 道具:なし
ハイ・エルフの武器・道具習熟
- 武器:ロングソード、ショートソード、ショートボウ、ロングボウ
- 任意の言語1つ
武器と防具の性能
鎧と盾の性能
鎧と盾の一覧はプレイヤーズ・ハンドブック P.144にあります。鎧によってアーマ・クラスが決まっています。鎧なしの場合のアーマ・クラスに関してはプレイヤーズ・ハンドブック P.14に説明があります。
鎧なしの場合、アーマ・クラスは10+【敏捷力】修正値=13となります。
武器の性能
武器の一覧はプレイヤーズ・ハンドブック P.149にあります。ダメージと特性が決まっています。
クオータースタッフドのダメージは1d6[殴打]で、特性は両用(1d8)となります。
その他の特徴を決める
種族・クラス・背景から得られる特徴を決めます。
ハイ・エルフの特徴
プレイヤーズ・ハンドブック P.21でハイ・エルフの特徴を確認します。
- 暗視
- 鋭敏感覚
- フェイの血筋
- トランス
- エルフの武器訓練
- 初級呪文
- 追加言語
- 言語:共通語、エルフ語
ウィザードの特徴
プレイヤーズ・ハンドブック P.48でウィザードの特徴を確認します。
- 呪文発動
- プレイヤーズ・ハンドブック P.207でウィザード呪文一覧を確認します。また、プレイヤーズ・ハンドブック P.47にあるウィザードの簡易作成法を参考に呪文を検討します。
- 呪文発動能力値:【知力】
- 呪文のセーヴ難易度:8+習熟ボーナス+【知力】修正値=13
- 呪文攻撃の修正値:習熟ボーナス+【知力】修正値=5
- 初期呪文
- 任意の3つの初期呪文
- メイジ・ハンド、ライト、レイ・オブ・フロスト
- ハイ・エルフの初級呪文の特徴で任意の1つ
- アシッド・スプラッシュ
- 任意の3つの初期呪文
- 呪文書に収めた呪文数 6
- スリープ、チャーム・パースン、バーニング・ハンズ、フェザー・フォール、マジック・ミサイル、メイジ・アーマー
- 呪文スロット数
- 1レベルを2スロット
- 秘術回復
賢者の特徴
プレイヤーズ・ハンドブック P.133で賢者の特徴を確認します。
- 研究能力
キャラクター完成!
これで、まずは冒険に出発する準備は整いました。ただ、このキャラクターがどのような人物なのかに関してはまだ決まっていません。
背景には以下のような、キャラクターの人となりを描くための設定の素材が用意されています。
- 人格的特徴
- 尊ぶもの
- 関わり深いもの
- 弱み
また、キャラクターの基本的な倫理観や傾向を表す、属性も決めていきましょう。
数字だけでは表せない、あなたの分身のキャラクターにより深みを与えることで、あなたの冒険楽しいものになるはずです。
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